潮見が変わった?

いつもメルマガをご愛護いただきありがとうございます。
今回は、私が今肌で感じる不動産業界の事を書かせていただきます。
(全て私の個人的な考えです。)

自宅の隣にヤマサの本社ビルが建築中で、建物が段々建築されてきてクレーンがすぐそばで見えるようになってきました。近くで見るとこれがとてつもなく大きくて、日本の建築技術は凄いなと心から思いました。

知人が日本を代表する大手建築会社の設計士で、5年先まで注文があり、慌てて受注する必要もなく、資材が高騰しているので、正式な見積もりは一ヵ月前の物しか有効にしないと言っていました。高度成長時代の建物が老朽化しての建て替えと、新規需要で、建てるしかない、多分建築ラッシュは当分続くのでしょう。

東京の不動産はこの2~3年本当に上がりました。私は、今回の東京の不動産高騰は、殆どゼロの金利の住宅ローンで、住宅地が不動産価格を牽引してきたのではないかと思っています。世田谷の13坪の土地に、駐車場がある木造3階建てが1億円で完成前に売却してしまう。だから住宅地が坪400万円以上してしまう。あちらこちらに出来る駅直結のタワーの上層階が坪800万円以上し、億になる。それでも、低金利に支えられて価格は上昇してきました。

気が付けば、日経平均は最高値を更新、ダウも高値にある、不動産は高い、1990年から本当に順調にここまで来ました。これは、私の思い過ごしなのかもしれませんが言葉ではうまく言えないのですが、「何か潮見が少し変わりつつある」私にはそう思えてきました。私は、業者金融の金融機関の担当者や、不動産業者の営業などと会う時、必ず不動産の動き、エンドの方々の動向、我々不動産業者の仕入れや販売の動向を聞くようにしています。

•メガバンク系不動産会社の営業・・不動産はとても動いている。(顧客は資産家中心)
•ミニデベの営業・・土地がない。買えない。
•物凄い情報量(小さい土地から、開発用地、戸建て、収益何でも有る)の不動産業者向け  の会社のトップ営業・・4月頃から急に動かなくなった。業者の在庫が減らないようだ。
•融資に積極的な地銀の担当者・・新築収益物件が動いている。
•収益物件の仲介営業・・とても厳しい。減価償却の無い物件のローンが組めない。頭金を  2割3割と言われる。
•金利の高いノンバンクの営業・・この数か月で貸出残高が通常の1.5倍になっている。銀行から借りたいが、対業者への融資が厳しくなり、借りられないから、我々から借りるしか   ないから。担当者曰く「何か怖い」。
•ノンバンクの担当者・・かなりの売上が有る大手の区分の買取り再販会社(都内中心)        が、 買取りリフォーム後10%の利益で販売しているが、5%の指値が入ったらやっていけ   な い、営業がいるから仕方ないから買っているが、とてもあぶない。
•銀行担当者・・少し遠い所(千葉・埼玉・神奈川の駅から少し離れた)の販売価格が安く   利回りが高い新築アパートよく売れている。
•銀行担当者・・新築の融資の際、建築会社の財務内容も見るようにしている。物資の高騰で倒産がここのところ多くなってきた。
•あちらこちら建設されているタワーの第一次販売が今迄完売していたのが、完売されない場合が出てきた。
•タワーの高層階の税金が安い・・これが改正されるとタワ-の売上に影響するのか。

これらを、まとめると、資産家やファンドと一般の顧客や投資家との温度差が出てきている様に思います。また、不動産業者も販売方法や販売分野によって差が出てきているような気がします。確かに近頃紹介された物件の確認をすると前だったら直ぐになくなっているのに、まだあるおかしいなという事が最近いくつかありました。景気と不動産は同じ動きをするので、もし経済に何かあった時に、期限の有る融資の我々不動産業者は在庫を安く処分するしかない、しかし今の日本はそういう事があっても、新しいプレーヤーがそれを根こそぎ買いあさり、不動産はとても活発に動くと思います。もしかすると、何かがあっても、一般の方へは何も影響がないのかもしれない。 何もかも順調、日本はバブルに向っている、何も心配する事はひとつもない。 しかし、今直ぐにとは言わないが、私は、そろそろ一休みのところが近づいて来たのかもしれないような気がしてならない。 どうであれ、何とか世の中の流れに乗れるようこれからも頑張っていきたいと思います。  

           2023.6.28 鈴木


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